接続詞

従属接続詞 that(that節)

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等位接続詞を勉強したので、今度は従属接続詞について勉強しましょう。

89.従属接続詞 that(that節)

従属接続詞は、文の中にほかの文を入れるためにつなぐ機能があります。

時を表すものや理由を表すもの、条件を表すものなどさまざまですが基本的なものを順番にじっくりやっていきましょう。

まず、今回はthatです。

thatは「あれ」という名詞の意味もありますが、接続詞としての働きもあります。

働き「も」と言いましたが英文の中でのthatの役割は、「接続詞」の働きがほとんどです!!

これがなくては、文を作りにくくて仕方がないというほど重要な接続詞なので、ここで基本的な使い方をマスターしてしまいましょう!

例文

1.I think so.
(私はそう思う)

2.I think that he is right.
(私は彼が正しいと思う)

上の二つの文を比べて見ましょう。

1.は、何のことはない、普通の文ですね。

ですが、2は、

I think

He is right

と、「主語+動詞」が2つ入っていますね。

これをくっつける役割が接続詞「that」の役目です。

前回学んだ等位接続詞は、前の文と後ろの文を「対等に」結ぶため「A and B」は「AとB」と並列に訳しました。

ですが今回は「従属接続詞」=文の中にほかの文を入れるためにつなぐ接続詞です。

2の文をよーーく見てみましょう。

I think・・・

ときているので、「私は思う」わけですね。

とくれば、「何を思うのか」、つまり目的語が後に来るはずです。

ですが、その目的語は、語や句では言い表せない、主語と動詞を含む「節」を入れたい!!と思いますが、英語の文法は厳しいので、1文の中に接着剤なしに主語や動詞を2つ入れてはいけないのです。

さて、どうするか?

そこで、thatの登場です。

かなり万能な接着剤です。

thatの後に主語+動詞を置くことでthat以下全体を「~であること」という名詞節にできるのです!!

I think that he is right.

は、私は「彼が正しいということ」を思う

私は彼が正しいと思う

という意味になります。

think以外でも、that節はこのように使えます。

I know that she is beautiful.
(私は彼女が美しいことを知っている)

I hope that you will enjoy the party.
(パーティを楽しんでくださいね(←【直訳】あなたがパーティを楽しむことを希望します)

上記の使い方は「目的語」としての使い方ですね。

接続詞thatを伴う節は、名詞節なので目的語だけでなく主語、補語にもなれますが、実際には「目的語になる」使い方が圧倒的に多いです。

that節が主語

That I passed the exam is true.(私が試験に受かったのは本当だ)

that節が補語

The trouble is that my sister devorced her husband.(問題は私の姉が夫と離婚したことだ)

などありますが、まずは「目的語」になるthatを「読み慣れ」ましょう。

上記になるような簡単な文を「言える、書ける」ようにしましょう。

thatの基本

接続詞thatを使った文は、目的語が圧倒的に多いので、まずは目的語として使うthatを身に着けましょう!!

thatの用法

・thatの基本は文の中に文(節)を入れたいときに使う「従属接続詞」that+主語+動詞のかたまりで「名詞節」になれる
・thatを使った名詞節は主語・目的語・補語になれる

この章はこのthat節の応用編です。

このthat節、名詞節ですので通常は主語、補語、目的語になるのですが、応用的な使い方として形容詞の後に続けて、形容詞の内容を修飾することができます。

文法的な説明となると形容詞を修飾する副詞節・・・ということになるのでthat節の「特例」として覚えておきましょう。

「be動詞+形容詞」+ that節を使った文

I’m afraid that it will rain tomorrow.
(私は明日雨が降るのではないかと心配だ)

I’m glad that he won the game.
(私は彼が試合に勝って嬉しい)

be+形容詞で気持ちを表す場合、その気持ちの理由を表すために
「that節」を用いることができます。

形容詞+that節の形をとるのは、このような言葉です。

共通するのは「感情を表す形容詞」ということですね。

ほかにはこんなものがあります。

be sorry that 主語+動詞~ ~をすまなく思う

be sure that 主語+動詞~ きっと~だと思う

be afraid that 主語+動詞~ ~ではないかと心配する

be glad that 主語+動詞~ ~して嬉しい

その他、that節を取る代表的な形容詞は以下のとおりです。

プラスの感情

happy(幸せ), pleased(嬉しい), satisfied(満足), proud(誇りに思う),

マイナスの感情
ashamed(恥ずかしい), sad(悲しい), disapointed(がっかりする), angry(怒っている)scared(怖い)

その他
surprised(驚く),certain(確認している),worried(心配している)などです。

ただし、なんでも必ずthat節を取るとは限りませんので要注意です。

that節を取らない代表的なものは以下のようなものです。

difficult(難しい), easy(易しい) dangerous(危険),good(よい), bad(悪い), useful(便利)など

thatを取るかどうか分からない、用法が分からない・・・といった場合に便利なのが辞書です。

英語の辞書は意味を調べるだけでなく、用法もきちんと載っています。

できれば英英辞典がニュアンスもわかりよいですが、英語を読みなれるまでは英和辞典で充分です。

辞書を引くことは面倒と思いがちですが、知識の積み重ねとして確実に定着していきますから、ちょっとでも分からないことがあれば辞書を引く癖をつけましょうね。

thatの省略

従属接続詞thatの特殊な用法は

・thatの基本は文の中に文(節)を入れたいときに使う「従属接続詞」that+主語+動詞のかたまりで「名詞節」になれる
・thatを使った名詞節は主語・目的語・補語になれる

でしたが、特例として形容詞の後に続けて、形容詞の内容を修飾することができるでしたね。

さて、thatの使い方を一通り勉強したところで、今度は注意点です。大きな注意点が2つあります。

1.省略できる

2.時制の一致が必要

です。

まずは1.省略できるについてお話します。

I think that he is right.

I know that she is beautiful.

I hope that you will enjoy the party.

これらの文章は、「that+主語+動詞」の節(=that節)を目的語としています。

thatが接着剤として、後の分をくっつけてくれているのですね。

ですが、ここで衝撃の事実があります。

このthat、実は「省略できる」のです!!

thatが接着剤と考えると、白い木工用ボンドが、乾いて透明になったようなイメージでしょうか。

おそらく長年の言葉の変化のなかで、だんだんと「thatをわざわざ使わなくても分かる」ということになったのでしょう。

フォーマルな文章ではthatをあえていれますが、通常の文ではthatを省略することが非常に多いです。

ですから、上の文章は

I think he is right.

I know she is beautiful.

I hope you will enjoy the party.

と書けるのです。

というか、むしろこれが普通です。

that節の省略は、that節が補語の場合や、形容詞+that節の場合でも省略可能です。

that節が補語

The trouble is my sister devorced her husband.

形容詞+that節

I’m afraid it will rain tomorrow.

I’m glad he won the game.

となります。

また、高校レベルでお話しするthat節を導く構文でも省略可能です。

参考までに。

It seems that she has a secret.

It seems she has a secret.

It is true that I passed the exam.

It is true I passed the exam.

ただし!!

that節が主語になっている場合は、省略しません。

さすがに、ややこしくて分かりづらいからだと思います。

That I passed the exam is true.

× I passed the exam is true.

英語を話す人たちも、「言わなくても分かるから省略」しているし、「言わないと分からなければ省略しない」のです。

英語は言語ですから、数学のような複雑怪奇なものではありません。

人間が話す中で、「なんとなくこのほうが使いやすい」ということで徐々に確立されていったものが文法ですから、「言いやすいから」とか「面倒だから」とか、感情で考えるとなぜそうなったか納得がいったりします。

余談ですが、that節が主語の文は、thatがあってもややこしいものが多いです。

たとえばこの文。

That Pluto is round is true.

Plutoは冥王星なのですがthatは接続詞だけでなく、「あの」という名詞もあるため

That Pluto(あの冥王星)

と読んでしまうのですね。

そうやって読み進むと・・・

That Pluto is round

うんうん、あの冥王星は丸い・・・なるほど・・・あれ??

is true

あれ??じゃあ何?このis trueは???

わかんないけどくっつけちゃえ!!

と適当にくっつけて「あの冥王星は丸くて真実だ」とか、「オリジナル翻訳」をやってしまうわけです。

ですがこの文、実は

That Pluto is round

までがthat節の主語なのです。

That Pluto is round (冥王星が丸いこと)

is true.(真実だ)

ですから、冥王星が丸いことは真実だとなります。

ややこしいですね~。

こんな文も時には出てきますので、主語+動詞が文章にはひとつ、おかしいなと思ったら接続詞が使われているはず、ということを頭に入れておきましょう。

thatの省略まとめ

TOEICを受けるならとにかく慣れろ

thatが省略できるのは、ネイティブには便利なことなのですが、英語を習いたての初心者は非常に戸惑ってしまいます。

thatがなくなると、接着剤が見えなくて一文の中に主語と動詞が複数存在してしまいますから、まだ英語に慣れていない場合はthat節がない文を読みなれることが必須です。

TOEICは長文も多いですが、thatが省略されているのは当たり前です。

いちいち「thatが隠れているかも」なんて考えていたら日が暮れます。< ですから

I think he is right.

I know she is beautiful.

I hope you will enjoy the party.

のような文は、thatがなくてもスラスラ読めるように慣れておきましょう。

that節の時制の一致

この章ではthat節を使った文に関して、もうひとつ重要な注意点をお話します。

それは

2.時制の一致。

時制の一致は、間接疑問文にも出てきましたね。

原理は同じなので、理解しやすいかと思います。

時制の一致の基本

主となる節の時制が変化した場合、従属節(that節)の中の時制も同じだけ変化します。

that節に関しても、これが適用されます。

では早速、例文を見てみましょう。

I think that he is right.(私は彼が正しいと思う)

I thought that he was right.(私は彼が正しいと思った)

主となる文“I think”が“I thought”と過去になったので、that節の中もあわせて“he was right”と過去形になりました。

ほかの文も同様です。

I know that she is beautiful.

I knew that she was beautiful.

主節の動詞が“know→knew”と過去になったのに伴い“is→was”も現在→過去になりました。

助動詞の過去形は?

では、助動詞が来た場合はどうなるのでしょうか?

I’m afraid that it will rain tomorrow.

従属する節にwill、という助動詞が入っています。

助動詞にも、過去形があります。

なので、助動詞を過去形にしてあげます

willの過去形はwouldなので

I was afraid that it would rain the next day.

となります。

tomorrowは「現時点での明日」なので、「翌日」という意味の「the next day」に直します。

ほかの助動詞にも、過去形があります。

表を見てみましょう。

現在形 will shall can may must
過去形 would should could might

ただし!!

助動詞の過去形は、「助動詞の単純な過去形」という使われ方よりもまったく別の意味を持っているのでこれらの語が出たからといって全て過去のことだとは限りません。

一般的に助動詞の過去形はその現在形よりも弱い意味、または丁寧な意味で使われます。

また、高校レベルで習う仮定法などでも使われます。

高校レベルの文法でこれらの助動詞をやりますので、そのときにまた詳しく説明します。

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